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【社会編】2026年度 大阪府公立高校入試を独自分析|過去5年から見える社会の勉強法

2026年度 大阪府公立高校入試を独自分析
社会は過去5年を見ると「どう勉強すべきか」が見えてくる

A問題・B問題・C問題、理科編に続いて、今回は令和8年度(2026年度)大阪府公立高校入試の社会を見ていきます。

社会は理科と同じく、国語・数学・英語のようなA・B・C問題の区分はありません。

全受験生が同じ問題を解きます。

2026年度の平均点は、100点満点換算で46.7点でした。

社会というと、

「社会は暗記科目やから、とにかく覚える」
「入試前に一気に覚えたら何とかなる」

というイメージを持っている生徒も結構います。

もちろん、覚えることはめちゃくちゃ大事です。

地名も、人物も、制度も、用語も、知らなければ問題は解けません。

ただ、大阪府の入試を見ていると、「覚えたところ」で勉強を終わらせると途中から点が伸びにくくなるんですよね。

社会は、覚えた知識を「資料の中で使えるか」で差がつきます。

地図、雨温図、統計、年表、グラフ、地形図。そこから必要な情報を探して、自分が覚えた知識とつなげられるか。ここまでが大阪府の社会対策です。

そこで今回は2026年度だけではなく、2022年度から2026年度までの過去5年間も一緒に見ていきます。

5年分並べると、大阪府が社会で何を聞こうとしているのかが結構分かりやすくなります。

※これまでの記事はこちら
2026年度 大阪府公立高校入試 A問題編
2026年度 大阪府公立高校入試 B問題編
2026年度 大阪府公立高校入試 C問題編
2026年度 大阪府公立高校入試 理科編

大阪府公立高校入試|社会の過去5年間の主な出題領域

大阪府教育センターが公表している学力実態調査をもとに、2022年度から2026年度までの主な出題内容を整理しました。

社会の場合、一つの大問の中に地理・歴史・公民が混ざることもあるので、下の表は各年度で扱われた主なテーマとして見てください。

年度 地理の主な出題 歴史の主な出題 公民の主な出題 融合・横断型
2022
令和4
日本の産業人口
ASEAN・貿易
工業・製鉄所
USMCA
シリコンバレー
古代の日本
承久の乱
太閤検地
幕末
地租改正
大正期・農地改革
基本的人権
国会・最高裁判所
労働
企業・株式
金融
富士山を題材に、地理・歴史・文化・防災・NPOなどを横断
2023
令和5
石油・OPEC
鉱産資源
食料自給率
工業地域
雨温図
輸送
平安時代
鎌倉~室町
江戸時代
文明開化
世界史
高度経済成長
基本的人権
選挙制度
国会
裁判
地方自治・財政
金融政策
日本史・世界史・政治経済を同じ大問の中で扱う横断型
2024
令和6
都道府県・県庁所在地
瀬戸内の気候
アメリカの産業
EU
ブラジル
G7・人口・GDP
天武天皇
摂関政治
鉄砲伝来
朱印船貿易
幕末・明治
日米貿易摩擦
経済活動の自由
幸福追求権
企業・金融

内閣
社会保障
直接請求権・大和政権・国際連合・漁業・農業などを横断
2025
令和7
農業
日本の平野
内陸の気候
地形図・扇状地
工業
資源・半導体
承久の乱・応仁の乱
書院造
江戸の産業
富岡製糸場
不平等条約
高度経済成長
基本的人権
裁判制度
地方財政
企業
環境問題
一票の格差
琉球・東南アジア・ODA・人権・貿易などを一つの大問で横断
2026
令和8
漁業・海流
世界の気候
三大穀物
日本の農業
水資源
弥生・古代
班田収授
元禄文化
江戸時代
近現代
農地改革
国際連合
憲法・国会
財政政策
社会保障
地方自治
伊能忠敬、地形図、NPO、領海、情報通信などを横断

5年分を見ると、「去年出たから今年は出ない」は危ない

こうやって5年分並べると、まず分かることがあります。

同じようなテーマが、形を変えながら何度も出ています。

たとえば地理なら、産業・貿易・農業・気候・工業などは何度も登場しています。

歴史も、古代・中世・近世・近現代を広く行ったり来たりしています。

公民も、基本的人権・国会・裁判・地方自治・経済と、かなり幅広いです。

なので、

「去年、農業出たから今年は農業やらんでええやろ」

みたいな勉強は、やっぱり危ないです。

同じ分野でも、使う資料や聞き方を変えれば普通にもう一度出せます。

そして、5年連続で「分野をまたぐ問題」がある

もう一つ、大阪府の社会でかなり特徴的なのが融合問題です。

過去5年を見ても、毎年、地理だけ・歴史だけ・公民だけでは終わらない大問があります。

2026年度でいうと、大問4です。

伊能忠敬から始まったと思ったら、

鉄鉱石。

NPO。

インカ帝国。

領海・排他的経済水域。

地形図。

情報通信。

と話が動いていきます。

初めて見ると、

「何の単元の問題なん?」

と思うかもしれません。

でも、これが大阪府の社会では普通なんですよね。

過去5年から見える社会対策

地理・歴史・公民を一通り仕上げる。

そのあと、それぞれを別々の教科のように考えすぎず、資料を見ながら必要な知識を取り出す練習をする。

「何が出るか」を当てるより、「何が出ても使える状態」にする方が大事です。

もう一つの特徴は「資料問題が特別ではない」こと

5年分を見ていると、地図・グラフ・統計・年表・地形図などが毎年のように使われています。

つまり、

「用語問題を全部覚えて、余裕があったら資料問題をやる」

という順番では少し足りません。

もちろん最初に知識を覚えるのは必要です。

でも、ある程度覚えたら早めに資料問題へ入った方がいいです。

知識を覚える

地図や資料の中でその知識を見つける

複数の情報を比べる

聞かれたことに合わせて答える

ここまでが入試対策です。

では、2026年度はどこで差がついた?

ここからは2026年度の設問別得点率を見ていきます。

今年の社会の平均点は46.7点でした。

大阪府教育センターの概評でも、基礎的な用語を答える問題や地図から情報を読む問題には得点率の高いものがある一方、統計資料を正確に読み取る問題や、社会的事象を適切に表現する問題では低いものがあるとされています。

数字を見ると、その差がかなりはっきりしています。

地理|基本知識は取る。資料が増えたところで差がつく

漁獲量94.6%。これは落としたくない

漁業の漁獲量 94.6%

瀬戸内海に面していない県 76.0%

三大穀物の生産量が多い国 67.8%

遊牧 54.8%

漁獲量は94.6%です。

ほとんどの受験生が取っています。

こういう問題は、取れたから周りより有利というより、落とすと自分が一歩下がる問題です。

都道府県。

国の位置。

農業・漁業・工業。

こうした基本事項はまずしっかり仕上げておきましょう。

気候48.4%。雨温図は形だけ暗記しない

世界の気候分布と雨温図を組み合わせる問題は48.4%でした。

雨温図はよく、

「この形なら○○気候」

と覚えがちです。

もちろん、それも一つの方法です。

でも入試では、

北半球か南半球か。

年間降水量はどうか。

雨の多い季節はいつか。

気温の年較差はどうか。

どの地域に位置しているのか。

複数の条件を見て判断できるようにしておいた方が強いです。

フィヨルド24.3%。「名前」から一歩先へ

フィヨルドの形成過程を説明する記述は24.3%でした。

「フィヨルド」という名前を知っていても、それだけでは足りません。

氷河によって谷が削られる。

そこへ海水が入り込む。

どうやってできた地形なのかまで説明できる必要があります。

地理用語も、意味だけでなく「なぜそうなる?」まで一緒に覚えておくと記述問題に対応しやすくなります。

取水量31.0%。数字を一個だけ見ない

世界各地域の取水量と用途を比較する問題は31.0%でした。

こういう統計問題では、

数字が一番大きいからこれ。

グラフが一番高いからこれ。

と、一か所だけ見て判断すると間違えやすいです。

何の数字なのか。実数なのか割合なのか。何と何を比べるのか。

まずそこを確認してください。

地理はこう進めよう

都道府県・国・気候・産業など、土台になる知識をまず覚える。

そのあと、白地図・雨温図・統計・地形図とセットで問題を解く。

「何を知っているか」だけでなく、「資料のどこを見ればその知識が使えるか」まで練習します。

公民|用語より「制度がどう動くか」

公民は、今年もかなり差が出ています。

デフレーションと財政政策 81.1%

国際連合 71.2%

地方議会議員の解職請求 57.9%

国の最高法規 51.1%

参議院の緊急集会 40.0%

デフレと財政政策は81.1%。

比較的よく取れています。

一方で、社会保障関係費の変化は34.6%、地方議会議員の解職請求後の措置を説明する問題は16.7%でした。

公民で注意したいのが、

「リコール」

「国会」

「地方自治」

と名前だけ覚えて終わることです。

誰が請求する?

誰に請求する?

そのあとどうなる?

制度がどう動くのかまで整理する必要があります。

公民は図にするとかなり分かりやすくなります。

公民はこう進よう

憲法・国会・内閣・裁判所・地方自治・経済などの基本語句を覚える。

そのあと「誰が・誰に・何をするのか」を矢印でつなげる。

用語集を覚えるだけでなく、制度を一枚の図で説明できるくらいまで整理すると強いです。

歴史|一問一答だけでは「時代」がつながらない

歴史でも、基本知識はかなり取られています。

アイヌの人々 90.6%

1700年ごろの田畑面積 79.8%

吉野ヶ里遺跡と邪馬台国 77.2%

栄西 57.0%

元禄文化と井原西鶴 54.0%

分国法 53.1%

一方、班田収授は44.5%

江戸時代のできごとの判断は21.7%

1910年代の世界のできごとは39.1%でした。

歴史を勉強するときに、

「栄西=臨済宗」

「分国法=戦国大名」

と一問一答で覚えることは必要です。

でも、それだけだと入試で時代が混ざります。

同じ時代に何が起きていたのか。

その前後で何が変わったのか。

までつなげておきたいです。

農地改革11.4%。歴史+資料で一気に難しくなる

農地改革によって農家の構成がどう変わったのかを資料から説明する問題は、得点率11.4%でした。

農地改革という用語を知っているだけでは取れません。

資料を見て、

どの農家が増えた?

どの農家が減った?

それは農地改革とどう関係している?

と考える必要があります。

歴史知識とグラフをつなげる問題です。

歴史はこう進めよう

最初は一問一答で知識を増やして大丈夫です。

ただ、そのあと必ず時代順に並べ直す。

政治・文化・外交・産業を同じ時代で横につなげる。

最後に年表や資料問題を使って、「覚えた知識がどこで使われているか」を確認します。

融合問題|今年もここが大阪府らしい

最後の大問4は、地理・歴史・公民をまたぐ融合問題です。

最初の伊能忠敬は91.4%

ここはかなり取られています。

鉄鉱石の生産量が多い国も66.0%

地形図の読み取り記述も61.6%でした。

融合問題だから、全部難しいわけではありません。

地形図61.6%。「たくさん情報がある=難問」ではない

地形図の問題では、二つの範囲を比べて、

「傾斜が緩やかであり、標高が高い」

と特徴を答えます。

必要なのは、

等高線の間隔を見る。

等高線の数字を見る。

この二つです。

資料にはたくさん情報があります。

でも、全部を見る必要はありません。

問題で何を聞かれているかを確認して、必要なところだけを見る。

これが資料問題の基本です。

そして最後の統計問題は8.0%

総務省 10.3%

マイクロクレジット 8.7%

世界各国のブロードバンド利用状況 8.0%

最後の問題はかなり低いです。

契約数。

通信量。

人口。

GNI。

複数の資料を組み合わせて、一つずつ選択肢を検証します。

単純に用語を覚えていれば取れる問題ではありません。

大阪府教育センターも、複数の統計資料から必要な情報を正確に読み取り、それを組み合わせて論理的に考察する力が大切だとしています。

ここまで来ると、社会というよりかなり情報処理に近いです。

ただし、8%問題ばかり練習しなくてOK

ここも大事です。

得点率8%の問題があるからといって、最初からこういう問題ばかり練習する必要はありません。

伊能忠敬91.4%を落としている。

漁獲量94.6%を落としている。

50%前後の歴史・公民問題もかなり落としている。

なら、そっちが先です。

上位校を受ける生徒なら、そこを取り切ったあとに、最後の複数資料問題まで広げればいい。

自分の目標点によって、追う問題を変える。

これは社会でも同じです。

融合問題はこう進めよう

まず設問を読む。

「何を調べれば答えられる?」を決める。

そのあと必要な資料を見る。

資料が多い問題ほど、全部読むのではなく、目的を決めて読むことが大切です。

5年分析と2026年度の得点率から見えること

ここまでをまとめると、大阪府の社会対策で意識したいことはかなりはっきりしています。

① 地理・歴史・公民を全部やる

5年間を見ても出題範囲はかなり広いです。「今年はここが出そう」と絞るより、まず3分野を一通り仕上げます。

② まず暗記。ここは逃げない

2026年度も9割以上取られている知識問題があります。基本知識を知らない状態で資料問題へ進んでもなかなか解けません。

③ 覚えた知識を資料とつなげる

地図・統計・年表・グラフを見る時間を普段の勉強に入れます。「この知識が資料ではどう表れる?」まで確認します。

④ 融合問題に慣れる

大阪府では5年間続けて、分野をまたいだ問題が見られます。過去問では「これは地理」「これは歴史」と決めつけず、必要な知識を切り替える練習をします。

⑤ 難しい資料問題は目標点に合わせる

全員が得点率8%の問題を取る必要はありません。まず高得点率の問題、次に30~60%台、その先で難問へ進みます。

社会はこの順番で勉強する

僕なら、大阪府入試に向けて社会はこの順番で進めます。

① 地理・歴史・公民の基本用語を覚える

② 歴史の流れ、公民の制度、地理の地域同士をつなげる

③ 地図・統計・年表・雨温図などの資料問題を解く

④ 複数資料・融合問題へ進む

⑤ 大阪府の過去問で、必要な情報を探す練習をする

社会の勉強でありがちなのが、一問一答を何周もして、そこで止まることです。

一問一答は必要です。

でも、入試前にはその知識を外へ出さないといけません。

地図の上に置く。

年表の中に置く。

グラフと結びつける。

他の出来事と比べる。

「覚えたものを使う」時間を作ってください。

間違えた問題は4種類に分ける

過去問を解いたあとの復習も大切です。

全部まとめて「社会覚えてへんかった」で終わらせない。

① 知識不足
人物・用語・地名そのものを知らなかった。

② 知識のつながり不足
言葉は知っていたけど、時代・場所・制度との関係が分からなかった。

③ 資料読み取り不足
割合と実数を間違えた。比較する数字を取り違えた。地図の見方が分からなかった。

④ 表現不足
答えは分かっていたけど、記述で必要な条件が抜けていた。

ここまで分ければ、次にやる勉強が決まります。

知識不足なら覚え直す。

資料読み取りなら、一問一答をもう一周するより資料問題をやる。

記述なら、模範解答と自分の答えを比べる。

間違えた理由によって復習内容を変える。

これが大事です。

これから大阪府公立高校入試を受ける中学生へ

社会は、勉強した分が点数につながりやすい教科です。

まず覚える。

ここは絶対に必要です。

ただ、覚えたところで終わらないでください。

過去5年を見ても、大阪府では毎年のように地図・統計・グラフ・年表などを使った問題が出ています。

そして、地理・歴史・公民をまたいだ問題も続いています。

だから、

「社会は直前に暗記したらええわ」

では、最後の伸びが止まりやすいです。

今のうちから知識を少しずつ増やして、

覚えたら問題で使う。

間違えたら原因を確認する。

また覚える。

この繰り返しです。

まずは、みんなが取っている問題を落とさない。

次に、30~60%くらいの問題を増やす。

その先で、複数資料を使った難しい問題まで広げる。

過去問は「何点やった?」で終わらず、「次の5点をどこで取る?」まで考えて使っていきましょう。

今回使用した資料について

この記事では、大阪府教育センターが公表している令和4年度から令和8年度までの「大阪府公立高等学校一般入学者選抜学力検査 学力実態調査」をもとに、過去5年間の主な出題内容を整理しています。

2026年度については、各問題の配点に対する平均得点の割合である「得点率」をもとに分析しています。記述問題では部分点も含まれています。

なお、令和4~7年度は府立高校合格者から抽出した標本調査、令和8年度はデジタル採点システムに入力された得点データを用いた全数調査となっており、調査方法が異なります。

そのため、この記事では過去5年間の平均点や得点率を単純に比較するのではなく、どのような分野・形式が出題されてきたのかを見るために過去5年分を使用しています。

また、記事内の「落としたくない問題」「差につながりやすい問題」「学習の優先順位」などは、大阪府教育センターによる分類ではありません。

公表された出題内容・得点率をもとに、個別指導塾Excia(エクシア)江坂校で実際に受験指導を行う際の考え方として整理しています。

出典:大阪府教育センター「成果物(刊行物)/大阪府公立高等学校入学者選抜学力検査 学力実態調査」

個別指導塾Excia(エクシア)江坂校

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