2026年度 大阪府公立高校入試を独自分析
B問題は「取るべき問題」を見極める
前回のA問題編に続いて、今回は令和8年度(2026年度)大阪府公立高校入試のB問題を見ていきます。
A問題編では、
「みんなが取っている問題を落とさない」
という話をかなりしました。
B問題でも、もちろんそこは同じです。
ただ、B問題になるともう一つ意識してほしいことがあります。
全部の問題を同じように取りにいかないこと。
取るべき問題を確実に取り、その次に「ここが取れたら一段上がる」という問題へ進む。B問題では、この優先順位がかなり大事です。
実際、今回公表された得点率を見ると、同じ教科の中でもかなり大きな差があります。
8割、9割以上の受験生が得点している問題がある一方で、得点率が10%台、数学では0.2%まで下がっている問題もあります。
これを全部「同じ1問」と考えて勉強するのは、ちょっと違います。
教室でも過去問を解いたあとには、
「これは取らなあかんかった」
「これは次に取れるようにしたい」
「これは今は追わんでいい」
と分けて考えています。
今回は国語・数学・英語について、実際の得点率を見ながら、B問題を受けるならどこから勉強していけばいいのかを整理していきます。
※A問題編をまだ読んでいない方は、「2026年度 大阪府公立高校入試 A問題編」もあわせてご覧ください。
B問題で一段増えるのは「処理する力」
A問題編でも書きましたが、最近の大阪府入試は、国語だけ読めればいいという試験ではありません。
数学でも文章・表・図から条件を拾う必要がありますし、英語ではある程度まとまった英文を時間内に読み進めなければなりません。
B問題では、その負荷がさらに上がります。
知識を覚えているだけではなく、
① 問題文を読む
② 必要な条件を拾う
③ 自分の知っている知識とつなげる
④ 時間内に答えまで持っていく
ここまでが必要です。
この「分かっていることを、問題の中で使える状態にする」というところが、B問題ではかなり大事になってきます。
得点率はA問題編と同じように見ていきます
大阪府教育センターが公表している数字は「正答率」ではなく、各問題の配点に対する平均得点の割合である得点率です。
記述問題では部分点も含まれています。
ただし、得点率30%未満だから全部やらなくていい、という意味ではありません。
志望校によって必要な点数も違います。
あくまで、「今の自分が次に何を勉強するか」を決めるための材料として見ていきます。
国語B|選択問題は取れている。でも「自分でまとめる」と一気に下がる
国語B問題の平均点は、100点満点換算で56.1点でした。
A問題より平均点だけを見ると高くなっています。
ただ、一問ずつ見ると、B問題らしい差がかなり出ています。
かなり多くの受験生が取っている問題がある
得点率80%以上の主な問題
- 内容把握(記号選択) 96.6%
- 内容把握(記号選択) 87.8%
- 「仲裁」の読み 90.4%
- 「論じる」の書き取り 80.5%
- 語句の意味 85.7%
ここは落としたくないです。
特にB問題になると、記述問題や長い文章に目がいきがちですが、こういう問題で確実に点を作ることは変わりません。
難しい問題に時間を使って、前半の漢字や取れる選択問題を落とす。
これは一番避けたいところです。
「記号問題なら簡単」と思わない方がいい
今回、かなり特徴的なのがここです。
内容把握の記号選択問題には、96.6%、87.8%と高いものがある一方で、12.6%まで下がった問題もあります。
同じ「選択肢から選ぶ問題」でも、難しさが全然違います。
これは国語の勉強で結構大事なところです。
選択問題だからといって、
「なんとなく近そうなやつを選ぶ」
では安定しません。
本文のどの部分を根拠に、その選択肢を選んだのか。
ここまで説明できるようにしておきたいです。
特にB問題では、文章全体の流れや、前後の段落とのつながりまで見ないと判断しにくい問題が入ってきます。
B問題で差がつくのは「読んだことを自分でまとめる」ところ
品詞の識別 44.7%
内容把握と表現(記述) 26.8%
内容把握(抜き出し) 53.1%
内容把握(抜き出し) 36.8%
ここを見ると、単純に文章を読めるだけでは足りないことが分かります。
本文を読んで、
「筆者は何を言っているのか」
「この段落は何のためにあるのか」
「前の段落と、どうつながっているのか」
を整理したうえで、指定された形にまとめる必要があります。
大阪府教育センターも今回のB問題について、文章全体と部分との関係を捉える力をポイントとして挙げています。
国語Bを勉強するときには、一文ずつ意味を取るだけではなく、
↓
次の段落で話がどう動いた?
↓
結局、この文章全体で何を言いたい?
という読み方まで練習しておきたいです。
18点の作文は得点率47.3%
最後の作文は18点配点で、得点率は47.3%でした。
配点がかなり大きいです。
B問題を受けるなら、ここを完全に放置するのはもったいないです。
ただし、作文だけを何本も書けばいいわけでもありません。
条件を読む。
聞かれていることから外れない。
使う言葉や内容を先に整理する。
それから文章にする。
「書く力」だけではなく、「条件を読む力」まで含めて作文です。
国語Bはこう進めよう
漢字・語彙などで取れる点を落とさない。
そのうえで、文章を段落ごとに整理し、「なぜその答えになるのか」を本文から説明する練習をする。
記述や作文は、書き始める前に「何を書けばいいのか」を整理できるようにしておくことが大切です。
数学B|取れるところと、かなり難しいところがはっきり分かれた
数学B問題の平均点は、100点満点換算で50.7点でした。
今回のB問題で、一番「優先順位」が分かりやすいのは数学かもしれません。
得点率を見ると、本当にきれいに分かれています。
まず、このあたりは絶対に取りたい
得点率80%以上の主な問題
- 正負の数の計算 93.1%
- 単項式の計算 89.8%
- 式の値 91.9%
- 二次方程式 82.9%
- 一次関数の対応表 95.9%
- 一次関数の対応表 88.0%
- 一次関数の式 86.4%
- 一次関数の利用 82.1%
ここはかなりはっきりしています。
B問題を受けるなら、前半の計算と一次関数は大きな得点源にしたいです。
特に一次関数の大問は、最初の4問が全部80%を超えています。
ここを「関数苦手やから」とまとめて落としてしまうと、かなり痛いです。
B問題を受ける生徒なら、一次関数は後回しにせず、早い段階から仕上げておいた方がいいです。
計算も「だいたいできる」では足りない
計算問題の得点率は、
正負の数 93.1%
文字式 73.0%
単項式 89.8%
式の展開 79.5%
平方根 68.5%
となっています。
「ほぼ全員取れている問題」だけではありませんが、B問題で点数を作るなら、ここはできるだけ落としたくありません。
特に大事なのは、家で時間をかければ解けるかではなく、
入試の最初に、短時間で正確に処理できるか。
ここです。
後ろに長い文章題や図形が待っています。
前半の計算で毎回立ち止まっていると、後半に使える時間がなくなります。
次に狙いたいのが、30~50%台
回転移動 49.0%
度数分布表 50.3%
一次方程式の利用 53.4%
相似の証明 47.6%
三平方の定理の利用 30.8%
2直線の位置関係 43.0%
僕なら、B問題で点数を上げたい生徒には、まずこのあたりを見ます。
半分前後の受験生が取れている問題です。
ここを一問ずつ増やせると、点数がかなり変わってきます。
特に証明は7点配点で、得点率47.6%です。
完全に書き切れなくても、途中まで正しく書けば部分点につながる可能性があります。
「証明やから無理」と最初から空欄にするより、
合同・相似条件は何か。
どの角が等しいのか。
どこまでなら書けるのか。
を普段から考える練習をしておいた方がいいです。
ここから先は、かなり難しい
そして今回の数学Bで、かなり目立つのが後半です。
根号を含む式 13.2%
一次関数のグラフ・y=ax²の利用(記述) 14.2%
相似比・平行線と線分の比 0.2%
三平方の定理・平行線と線分の比 8.4%
立体の体積 0.2%
0.2%です。
これは正答率ではなく得点率なので、「0.2%の生徒しか正解していない」という意味ではありません。
それでも、受験生全体としてほとんど得点できていない問題だったことは分かります。
こういう問題を見るときに大事なのが、
「これも解けるようにならなあかん」
と焦らないことです。
もちろん、高得点が必要な学校を受ける生徒なら対策する必要があります。
でも、前半の計算や一次関数、50%前後の問題を何問も落としている状態なら、そこより先に直すところがあります。
入試では、難しい問題に挑戦することより、取れるはずの問題を残さないことの方が先です。
B数学は「問題文を数学に変換する」練習が必要
B問題になると、大問3・大問4は文章量もかなり増えます。
図があり、条件がいくつも書かれ、その中から必要なものを選んで使います。
ここでよくあるのが、
「公式は知ってる」
「相似も三平方も習った」
「解説を見たら分かる」
でも、自分では最初の一手が出ない。
という状態です。
これは知識だけの問題ではありません。
文章で書かれた条件を、式や図の情報に変える練習が足りていないことが多いです。
なので過去問を復習するときは、答えを覚えるのではなく、
何が分かっている?
何を求める?
そのためには、あと何が分かればいい?
その情報を出すために、どの公式・性質を使う?
と逆算する練習をしてほしいです。
数学Bはこう進めよう
まず計算・二次方程式・一次関数など、得点率の高いところを安定させる。
そのあと、回転移動・データ・方程式の利用・証明など、30~50%台を増やしていく。
図形の最難関まで全部追いかけるのは、その後で大丈夫です。目標点に合わせて順番を決めましょう。
英語B|「文法問題」ではなく、長文の中で文法を使う
英語B問題の平均点は、100点満点換算で54.7点でした。
B問題の英語でまず知っておきたいのが、単独の語彙・文法問題が並んでいるわけではないということです。
会話文や長文を読みながら、その中で語彙・文法・内容把握・英作文が問われます。
つまり、
「文法は文法、長文は長文」
と分けて勉強しているだけでは、本番で使いにくいんですよね。
最初の読解で取れる問題は、しっかり取る
適語補充 83.5%
内容把握 78.7%
内容把握 71.3%
並べかえ 76.7%
B問題だからといって、最初から全部難しいわけではありません。
ここはかなり多くの受験生が取っています。
こういう問題で落とさないためには、単語・文法の基礎がまず必要です。
ただ、単語の日本語訳を一個覚えて終わりではなく、文の中でその単語がどう使われているかまで見ておきたいです。
英語Bは、とにかく「読む量」に慣れておきたい
大阪府のB問題では、会話文・長文ともにかなりの英文を読むことになります。
入試当日に初めて長い英文を時間を計って読む、ではまず間に合いません。
普段から、ある程度まとまった英文を読む習慣をつけておく必要があります。
ここで大事なのは、一文一文を全部きれいな日本語に訳すことではありません。
誰が何について話しているのか。
話がどの方向に進んでいるのか。
設問で聞かれた情報はどこにあるのか。
を取りながら読み進めることです。
特にB問題は問題数もあるので、読み終わってからもう一度全部探し直していると時間が足りなくなります。
30~50%台を取れるかで差がつく
語句抜き出し 58.5%
英語表現 35.6%
語句補充 49.9%
語句補充(英語記述) 36.7%
内容把握 51.7%
内容把握 47.4%
内容把握 35.2%
英問英答 43.9%
このあたりが取れるようになってくると、B問題の英語はかなり変わってきます。
共通しているのは、単語だけ知っていれば終わりではないところです。
前後の文を読む。
話の流れをつかむ。
質問されたことに合う形で答える。
知識を使って処理する力が必要になっています。
英作文は今年もかなり差がついている
英作文① 14.2%
英作文② 39.2%
2026年度は、英作文が独立した大問として出題されています。
ここはかなり差が出ました。
ただ、難しい単語や高校レベルの表現が必要なわけではありません。
中学校で習った文法で、質問に合った英文を組み立てられるか。
ここです。
教室でも英作文をするときに、最初から英語を書き始めるのではなく、
↓
主語は何?
↓
動詞は何?
↓
自分が確実に使える文法で書けない?
という順番で考えさせます。
難しいことを書こうとして崩れるより、簡単でも正しい英文を書く方がずっといいです。
リスニングは前半を落としたくない
リスニング1 96.9%
リスニング2 96.9%
リスニング3 72.7%
リスニング4 83.2%
リスニング5(1) 80.6%
前半はかなり高いです。
ここは落としたくありません。
一方で、
リスニング5(2) 52.1%
リスニング6(1) 28.2%
リスニング6(2) 47.8%
まで下がります。
短い英文では聞き取れていても、まとまりのある英文になり、その内容について答えるところで差が出ています。
これはA問題と同じ傾向です。
リスニングも単語一個を聞き取るだけではなく、
「結局、何の話やった?」
を頭の中で残す練習が必要です。
英語Bはこう進めよう
まず単語・文法を固めて、文を止まらず読める状態にする。
そのうえで、毎日の学習に長文を入れ、時間内に必要な情報を探す練習をする。
英作文は難しい表現を覚えるより、中学英文法を使って自分で一文を作れるところまで持っていきましょう。
B問題は「全部できるようにする」より、順番を決める
今回の得点率を3教科並べてみると、B問題では特に問題ごとの難度差が大きいことが分かります。
数学なら、一次関数で9割近く取れている問題がある一方、後半には得点率0.2%の問題があります。
英語でも、リスニング前半は96.9%なのに、英作文は14.2%。
国語も、内容把握の記号問題が96.6%のものもあれば、12.6%のものもあります。
だから、
「B問題の過去問を全部解けるようになる」
ではなく、
「自分が今、取るべき問題を一つずつ増やす」
という考え方の方が、勉強は進めやすいです。
もちろん最終的に高得点を狙うなら、難しい問題にも挑戦します。
でも、その前にやることがあります。
取るべき問題を落とさない。
半分くらいの受験生が取れている問題を、自分も取れるようにする。
そこまでできてから、次の難度へ進む。
この順番です。
過去問を解いたあと、4つに分けてみてください
① 取れたし、次も取れる問題
ここはOK。もう一度やったときにも同じように取れる状態にしておきます。
② 落としたらあかんかった問題
高い得点率なのに間違えた問題。最優先で原因を確認します。知識不足なのか、読み間違いなのか、単純ミスなのかまで分けます。
③ 次に取れるようにしたい問題
得点率30~60%前後。ここが一番大事です。解説を読んで終わらず、自力でもう一度解けるところまでやります。
④ 今はいったん後回しにする問題
かなり得点率が低く、今の自分の目標点に対して優先度が低い問題。本番でも時間を使いすぎないようにします。
過去問を解く意味は、点数を出すことだけではありません。
この4つに仕分けして、次の勉強を決めること。
ここまでやって初めて、過去問が受験勉強になります。
これからB問題を受ける中学生へ
B問題を解いていると、最後の方で「こんなん無理やろ」と思う問題が出てくることがあります。
実際、今回も多くの受験生がほとんど得点できなかった問題があります。
だから、難しい問題が解けなかったことだけで落ち込まなくて大丈夫です。
その代わり、ちゃんと確認してほしい。
その前の問題は取れていますか?
8割、9割の受験生が取った問題を落としていないか。
半分くらいの受験生が取った問題で、まだ取れそうなところはないか。
まずそこです。
B問題は、全部を完璧にしようとすると勉強の優先順位が崩れやすいです。
自分の今の点数と志望校を見ながら、
「次の5点をどこで取るか」
を考えていきましょう。
その5点を一つずつ積み上げていく方が、結果的には合格に近づきます。
今回使用した資料について
この記事では、大阪府教育センターが公表している「令和8年度大阪府公立高等学校一般入学者選抜学力検査 受験者の学力実態調査」をもとに分析しています。
資料に掲載されている「得点率」は、各問題の配点に対する平均得点の割合です。
そのため、記述問題などでは部分点も含まれています。
また、記事内の「落としたくない問題」「差につながりやすい問題」「今は後回しでもよい問題」などの分類は、大阪府教育センターが示したものではありません。
公表された得点率と実際の出題内容をもとに、個別指導塾Excia(エクシア)江坂校で入試指導を行う際の考え方として整理しています。
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