2026年度 大阪府公立高校入試を独自分析
A問題は「どこを取るか」で点数が変わる
今回は、令和8年度(2026年度)の大阪府公立高校入試・A問題について見ていきます。
大阪府教育センターから、実際に受験した生徒が一問ごとにどれくらい得点できていたのかをまとめた「受験者の学力実態調査」が公表されました。
教室でも、こういう資料が出たときは結構細かく見ています。
単純に、
「この問題は難しかった」
「ここはよく出る単元やった」
だけを見るためではありません。
実際に受験生がどこで点を取って、どこで落としているのか。
そこまで見ると、これから入試を受ける生徒が「何から勉強した方がいいのか」がかなり見えてきます。
普段、教室で過去問をやるときも同じです。
点数を出して終わりではなく、
「これは落としたらあかんかったな」
「この問題は半分くらいの受験生しか取れてない。ここが取れたら一歩前に出られるな」
「これは今の段階では後回しでもいいな」
というところまで見ながら、その後の勉強を決めています。
せっかくなので、教室で実際にやっている入試分析を公開していきます。
A問題・B問題・C問題、そして理科・社会まで、実際の得点率を見ながら「どこを取るべきか」「どんな勉強をしていけばいいのか」を順番に整理していきます。
第1回はA問題編です。
その前に。最近の大阪府入試で意識しておきたいこと
今回の得点率を見る前に、一つ知っておいてほしいことがあります。
最近の大阪府の公立高校入試は、「覚えているか」だけで終わる問題ばかりではありません。
これはA問題でも同じです。
国語や英語で文章を読むのはもちろんですが、数学でも文章や表、図から条件を読み取って、必要な情報を整理してから解く問題が出てきます。
理科や社会でも、資料・グラフ・実験結果・統計などを読んだうえで考える問題が多くあります。
なので、これからの入試勉強では、
公式を覚えている
単語を覚えている
用語を覚えている
だけではなく、問題文を読んで「今、何を聞かれているのか」を整理する力も必要になってきます。
これ、普段の指導でもかなり感じます。
問題を見た瞬間に、
「これ知らん」
「習ってない」
と言う生徒がいるんですが、よく一緒に読んでみると、使う知識自体はもう習っていることが結構あります。
分からないのは知識ではなく、長い文章の中から「この情報とこの情報を使う」と整理するところだったりするんですよね。
なので今回も、単元名だけを見て「簡単・難しい」と判断するのではなく、実際にどういう力が必要だったのかまで見ていきます。
「得点率」はこう見よう
今回、大阪府教育センターが公表しているのは「正答率」ではなく得点率です。
その問題の配点に対して、受験生が平均でどれくらい点を取れていたかを表しています。
記述問題では部分点も含まれるので、「得点率40%=40%の生徒が完全正解した」という意味ではありません。
この記事では、勉強の優先順位を考える目安として、ざっくり次のように見ていきます。
もちろん、大阪府がこのように分類しているわけではありません。
公開された数字をもとに、Exciaで入試対策をするときの目安として整理しています。
また、30%未満だから全部後回し、ということでもありません。
「知識が抜けていて取れなかった問題」なのか、「かなり複雑な処理が必要だった問題」なのかでも、復習の優先順位は変わります。
国語A|漢字を取る。そのあと「ちゃんと読む」ところで差が出る
国語A問題の平均点は、100点満点換算で51.7点でした。
まず、かなり分かりやすいのが漢字です。
この漢字は落としたくない
得点率80%以上
- 「倉庫」の読み 97.6%
- 「腹式」の読み 85.8%
- 「論じる」の読み 82.0%
- 「歴然」の読み 91.0%
- 「油絵」の書き取り 87.6%
9割前後の受験生が得点しているものもあります。
こういう問題は、「取れたらラッキー」ではないです。
落とすと、そのまま周りとの差になりやすい。
しかも漢字は、比較的対策がしやすいところです。
入試直前になって難しい読解問題ばかりやるより、まず取るべき漢字をちゃんと取れるようにしておく。
これはかなり大事です。
一方で、「階段」の書き取りは43.4%、「射る」は40.3%でした。
「見たら分かる」と「自分で書ける」は別なので、漢字練習も答えを眺めるだけでは足りません。
文法は、勉強した分が点になりやすい
品詞の識別① 36.5%
品詞の識別② 21.8%
歴史的かなづかい 38.9%
主語と述語の関係 40.6%
ここは結構気になります。
というのも、文章との相性に左右されやすい読解問題と違って、文法はルールを整理して練習できます。
それでもこれだけ得点率が下がっています。
なので、A問題を受ける生徒なら、品詞・主語述語・歴史的かなづかいを「何となく」で残さない方がいいです。
こういうところをちゃんと取れるようにしておくと、点数が安定してきます。
国語で本当に差が出ているのは「必要な情報を探す力」
今年の結果で、もっと見てほしいのはこちらです。
本文から言葉を抜き出す問題でも、得点率が42.8%、41.8%まで下がっている問題があります。
一方で、別の抜き出し問題では77.0%、79.0%です。
同じ「抜き出し」でも、全然違います。
ここで必要なのは、ただ本文を読むことではありません。
設問を読んで、「何について答えればいいのか」を先に整理すること。
そのうえで、本文の中から答えにつながる場所を探す。
大阪府教育センターも、今回のA問題について「必要な情報に着目して本文中の内容を的確に捉える力」をポイントとして挙げています。
これは国語だけではなく、他教科にもかなりつながる力です。
作文12点。だからといって最初から作文ばかりやらない
最後の表現問題は12点配点で、得点率は38.7%でした。
配点が大きいので、もちろん練習は必要です。
ただ、国語が苦手な生徒にいきなり「作文で12点取りにいこう」とは僕はあまり言いません。
まず、漢字で落とさない。
次に文法。
そして、設問を読んで本文から必要な情報を探せるようにする。
そこがある程度できてから、記述や作文まで広げていく。
この順番の方が、点数は作りやすいです。
国語Aはこう進める
漢字・文法など、自分で準備できるところをまず固める。
そのうえで、設問を正確に読み、本文から根拠になる部分を探す練習をする。
「文章を読む」だけではなく、「聞かれていることに合わせて読む」練習が必要です。
数学A|計算だけではない。「問題を数学に直す」ところが大事
数学A問題の平均点は、100点満点換算で50.2点でした。
A問題というと、「基礎問題だから計算ができれば大丈夫」と思われがちです。
確かに、計算や各単元の基本事項は大事です。
でも、実際の入試ではそれだけではありません。
特に後半になると、文章・図・表などから条件を読み取って、
「これを一次関数で考える」
「この条件からこの図形の性質が使える」
と、自分が知っている数学につなげる必要があります。
ここを抜きにして、「この単元は習ったから大丈夫」と考えるのはちょっと危ないです。
まず、取れる問題はしっかり取る
- 2直線の位置関係 91.8%
- 一次関数の対応表(ア) 88.3%
- 一次関数の対応表(イ) 80.7%
このあたりは多くの受験生が取れています。
ここを落とすのは、かなりもったいないです。
数学が苦手な生徒ほど、「図形やから無理」「関数やから飛ばす」と単元ごと切ってしまうことがあります。
でも、その単元の中にも、みんなが取っている問題はあります。
まずそこを見分けられるようになることも大切です。
計算は「できる」ではなく、「入試でも落とさない」へ
正負の数 78.0%
正負の数 73.4%
正負の数 74.1%
文字式 61.1%
単項式 75.8%
平方根 67.4%
基本計算は、全体としては比較的高い得点率です。
ただ、見方を変えれば、基本計算でも2~4割近く取りこぼしている問題があります。
ここは「家では解ける」では足りません。
時間制限がある入試の中で、速く、正確に、落とさず解けるか。
そこまで持っていきたいです。
教室でもよく言いますが、難しい最後の問題を落とした3点と、最初の計算を落とした3点は、同じ3点でも意味が違います。
まず前半を固める。ここは変わりません。
「知っているのに解けない」が起こりやすいところ
正負の数の計算 48.2%
次数 33.6%
度数分布表・相対度数 31.7%
連立方程式 47.4%
二次方程式 44.9%
関数 y=ax² 36.3%
一次関数の式 43.4%
証明の空所補充 38.3%
三角形の相似条件と証明 53.4%
ここが数学Aで一番考えてほしいところです。
連立方程式も、二次方程式も、一次関数も、学校で一度は勉強しています。
でも入試では、問題集に載っている
「次の方程式を解きなさい」
という形だけで出るとは限りません。
文章の中から数量関係を読み取ったり、図や表と組み合わせたり、その場面で何を使うか自分で判断したりします。
なので、ここを単純に
「中学校で習う普通の問題だから、練習すれば取れる」
だけで済ませるのは違うと思っています。
知識は必要。
でも、その知識を使うためには、問題文を読んで条件を整理する力も必要です。
これが大阪府の数学対策ではかなり大事です。
相対度数31.7%から見えること
度数分布表から相対度数を求める問題は、得点率31.7%でした。
大阪府教育センターも、今回の数学Aで得点率が低かった問題として取り上げています。
この問題で考えたいのは、
「相対度数の公式を覚えていたか」
だけではありません。
表のどこの数字を使えばいいのか。
問題で聞かれている人数・階級はどこなのか。
そこまで読み取って初めて計算できます。
こういう問題を間違えたときに、答えだけ覚えて終わるのはもったいないです。
「自分はどの段階で止まったのか」を確認してください。
相対度数そのものを忘れていたのか。
表が読めなかったのか。
聞かれていることを勘違いしたのか。
同じ不正解でも、次にやる勉強は変わります。
得点率10%台。だから「捨て問」と決めるわけでもない
立体の体積 11.9%
数量の表し方 16.4%
三平方の定理・相似比の記述 10.4%
ここまで得点率が下がると、かなり多くの受験生が苦戦しています。
だからといって、「これは全部やらなくていい」と決めるのも違います。
志望校や目標点によって変わります。
ただ、まだ計算や得点率40~60%の問題を何問も落としているなら、先にそちらを直した方がいい。
これははっきりしています。
入試までの時間は限られています。
だから、
① 計算を速く正確にする
② 取るべき小問を安定させる
③ 文章・表・図から条件を読み取る練習をする
④ 得点率30~50%台の問題を増やす
⑤ その先で、難度の高い問題まで広げる
この順番で考えた方がいいです。
数学Aはこう進めよう!
計算や基本事項を覚えるだけで終わらない。
文章・図・表を見て、「何が分かっていて、何を求めるのか」を整理する。
知っている数学を、問題の中でちゃんと使える状態にしていくことが大切です。
英語A|単語・文法だけでは足りない。読んで内容をつかむところまで
英語A問題の平均点は、100点満点換算で43.4点でした。
A問題の国語・数学・英語の中では、一番低い平均点です。
ただ、最初から全部難しかったわけではありません。
最初の4問は90%超え
第1問(1) 93.6%
第1問(2) 93.0%
第1問(3) 95.5%
第1問(4) 96.7%
ここははっきりしています。
A問題を受けるなら、まずここを落とさないこと。
英語が苦手だからといって、最初から長文問題ばかりやる必要はありません。
まず単語・基本文法で取れる点を取る。
これは絶対に必要です。
でも、「文法を覚えた」で終わると途中から解けない・・・
第1問(5) 71.6%
第1問(6) 48.9%
第1問(7) 56.7%
第1問(8) 55.5%
第1問(9) 40.4%
第1問(10) 53.1%
同じ語彙・文法の大問でも、途中から得点率がかなり下がります。
英語でも、知識を覚えるだけでは足りません。
単語の意味や文法を知ったうえで、その文の中でどういう意味になっているのかまで判断する必要があります。
大阪府の英語は「読む量」にも慣れておきたい
最近の大阪府入試で、英語は特に文章量への対応が必要です。
A問題でも、長文や会話文を読んで内容を把握しながら、設問を処理していかなければなりません。
単語帳と文法問題集だけをずっとやっていて、入試直前に初めて長文を読む。
これではしんどいです。
普段からある程度まとまった英文を読んで、
誰が何をしたのか
何について話しているのか
指示語が何を指しているのか
設問ではどの情報を探せばいいのか
を考える練習が必要です。
全部をきれいな日本語に訳すことが目的ではありません。
必要な内容を、時間内に拾えるようになること。
ここを意識してほしいです。
内容把握は「読めるかどうか」でかなり差が出ている
総合問題の内容把握では、52.5%、60.9%、45.5%などの問題があります。
このあたりが取れるようになると、英語の点数はかなり変わります。
長文を見ると最初から諦めてしまう生徒もいますが、全文を100%理解しないと解けないわけではありません。
設問を先に確認して、必要な情報を探す。
前後の文から意味を判断する。
選択肢と本文を照らし合わせる。
こういう「読み方」自体も、ちゃんと練習する必要があります。
英作文はかなり差がついている
英作文① 22.8%
英作文② 11.3%
英作文③ 7.8%
ここはかなり低いです。
でも、「英作文が難しいから捨てる」だけではもったいない。
大阪府教育センターも、基礎的な語彙・文法を使って、実際のコミュニケーション場面で適切に表現する力が必要だとしています。
つまり、普段の文法問題でも、
選択肢から正解を選べる。
並べ替えならできる。
そこで終わるのではなく、
最後は自分で一文を書けるか。
ここまでやっておいた方がいいです。
難しい英文を書く必要はありません。
短くても、習った文法を使って正しい英文を作れること。
まずそこからです。
リスニングも「単語が聞こえた」で終わらない
リスニングでは、第1問が75.7%、第2問が83.3%。
一方、第3問は33.5%でした。
短い英文や部分的な情報を聞き取るところでは取れていても、まとまりのある話になると一気に下がっています。
これも読解と似ています。
一語一語を全部日本語にするのではなく、
「結局、この人は何の話をしているのか」
をつかむ練習が必要です。
英語Aはこう進めよう
単語・基本文法で落とさない。
そのうえで、まとまった英文を普段から読み、必要な情報を探す練習をする。
「覚える英語」から、「読んで使える英語」まで持っていくことが必要です。
3教科を見て分かること。「読む力」は国語だけの話ではない
今回、国語・数学・英語を並べて見て、一番伝えたいのはここです。
入試で必要な「読む力」は、国語だけの話ではありません。
国語なら、設問を読んで本文から必要な部分を探す。
数学なら、文章・表・図から条件を整理して、使う数学を決める。
英語なら、まとまった英文から必要な情報や話の流れをつかむ。
教科は違いますが、やっていることには共通する部分があります。
問題文を読む
↓
必要な情報を見つける
↓
知っている知識とつなげる
↓
答えにする
この流れを、普段の勉強から練習しておく必要があります。
だから、「問題集を何ページやったか」だけでは足りません。
間違えたときに、
知識を知らなかったのか。
問題文の意味を取り違えたのか。
必要な情報を見落としたのか。
分かっていたのに計算やスペルでミスしたのか。
どこで失点したのかまで分けて考えること。
ここが大事です。
過去問を解いたら「点数」より先に、この3つを見る
① みんなが取れている問題を落としていないか
得点率80~90%の問題で失点していたら、まずそこからです。難問を解くより先に直します。
② 30~60%くらいの問題で、何が原因で間違えたか
知識不足なのか、読み取りなのか、計算ミスなのか。ここを分けると、次にやる勉強が決まります。
③ 難しい問題に時間を使いすぎていないか
一問に止まりすぎて、後ろの取れる問題に行けなかったなら、知識ではなく時間配分の問題かもしれません。
同じ50点でも、中身は全然違います。
取るべき問題を何問も落として50点なのか。
取るべき問題はしっかり取って、難しいところを落として50点なのか。
前者なら、まだ点数はかなり上げられます。
後者なら、次のレベルの問題へ進んでもいい。
だから教室では、過去問の点数だけを見て「できた・できなかった」は判断しません。
これからA問題を受ける中学生へ
A問題だからといって、「基礎だけやっとけば大丈夫」と考えるのは少し危ないです。
もちろん、基礎知識はめちゃくちゃ大事です。
漢字も、計算も、英単語も、まずそこがないと始まりません。
でも入試では、その知識がそのままの形で出てくるとは限りません。
文章を読んで、図を見て、表を見て、
「今、自分の知っている何を使えばいいんやろ?」
と考える場面があります。
だから、これからの勉強では、
覚えること。
解くこと。
読むこと。
この3つを分けずにやってほしいです。
そして過去問を解いたら、点数だけ見て終わらない。
「次に何をできるようにしたら、あと5点上がるのか」
そこまで考えて復習していきましょう。
その積み重ねが、本番の点数につながっていきます。
今回使用した資料について
この記事では、大阪府教育センターが公表している「令和8年度大阪府公立高等学校一般入学者選抜学力検査 受験者の学力実態調査」をもとに分析しています。
資料に掲載されている「得点率」は、各問題の配点に対する平均得点の割合です。
また、記事内の「落としたくない問題」「差につながりやすい問題」「学習の優先順位」などについては、大阪府教育センターが示した分類ではありません。
公表された得点率と実際の出題内容をもとに、個別指導塾Excia(エクシア)江坂校で入試指導を行う際の考え方として整理しています。
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江坂の小学生・中学生・高校生を対象に、日々の学習から高校受験・大学受験までサポートしています。






