DeepLで英文はすぐ読める。
でも、それだけで英語力は伸びるのか?
最近は、DeepLのような翻訳ツールを使えば、長い英文でもすぐに自然な日本語に訳せるようになりました。
実際、とても便利です。学校の課題でも、自宅学習でも、「意味がわからない」と手が止まってしまう場面を減らしてくれるという点では、大きな助けになっています。
ただ一方で、英語を指導する立場として感じるのは、便利だからこそ気をつけなければならないこともあるということです。
それは、英文を読むときに本来必要なはずの
- 単語の意味を確認する
- 文法を考える
- 文の構造を整理する
- 自分なりに日本語に直してみる
といった大事な過程を飛ばしてしまいやすい、という点です。
「訳がわかる」と「読めるようになる」は、同じではありません
英語が苦手な生徒ほど、英文を見た瞬間に「もう無理」と感じやすいものです。
そんなときに翻訳ツールを使えば、すぐに日本語訳が出てきます。内容の大枠をつかむには、とても便利です。
ただ、ここで注意したいのは、日本語訳が出てきたことと、自分で英文を読めるようになったことは同じではないということです。
本来、英文を読むときには、
「この単語はどういう意味だろう」
「主語はどこだろう」
「動詞はこれかな」
「この関係代名詞はどこにかかっているんだろう」
といったことを一つずつ確認しながら、意味を組み立てていきます。
この作業は面倒ですし、時間もかかります。
でも、英語力というのは、まさにこの過程の中で育っていくものです。
最初からきれいな日本語訳だけを見てしまうと、その大切な部分を通らずに終わってしまいます。
すると、「意味は見たからわかった気がするけれど、自分では読めない」という状態になりやすいのです。
単語・文法・構文は、つながってこそ力になる
英語の勉強では、単語を覚えることも、文法を学ぶことももちろん大切です。
ただ、それだけでは十分ではありません。
実際の英文の中で、
- この単語はこの意味で使われている
- この文法がこういう形で出てきている
- 文のどこまでがまとまりなのか
を自分で考えられるようになって、初めて「読める力」になっていきます。
ところが、翻訳ツールに頼りすぎると、この「つなげる練習」が減ってしまいます。
その結果、起こりやすいこと
- 単語は覚えているのに長文になると読めない
- 文法は習ったのに問題になると解けない
- 模試で見たことのない英文が出ると止まってしまう
これは、英語が苦手だからというより、途中の考える過程が抜けたまま進んでしまっているからです。
DeepLが悪いのではなく、「使う順番」が大切
ここは誤解してほしくないのですが、DeepLのような翻訳ツール自体が悪いわけではありません。
便利なものは便利ですし、実際に学習の助けになる場面もたくさんあります。
たとえば、
- 長い英文の内容をざっと確認したいとき
- 自分で訳したあとに答え合わせをしたいとき
- 調べ学習で資料の内容を素早く把握したいとき
には、とても役立ちます。
問題なのは、考える前に答えを見ることが当たり前になってしまうことです。
英語の学習で本当に大事なのは、最初から正しい日本語訳を知ることではありません。
自分で単語や文法を手がかりにしながら、少しずつ意味を取っていく経験を積むことです。
英語の「訳す力」は、地道な積み重ねでしか育たない
英語を訳す力というのは、特別な才能ではありません。
一文一文、単語を調べ、文法を確認し、構造を考え、自分なりに訳してみる。
その繰り返しの中で少しずつ身についていくものです。
だからこそ、便利な翻訳ツールがある時代でも、この部分は省略できません。
すぐに訳を出してくれる道具があると、どうしても「早く答えを知りたい」という気持ちに流れやすくなります。
でも、英語力をつけるという意味では、少し遠回りに見える学習こそが、結局はいちばん近道だったりします。
Exciaが大切にしたいのは、「どうやって読めるようになるか」
Exciaでは、英語の学習において「ただ答えがわかる」こと以上に、どうやってそこにたどり着くかを大事にしています。
- わからない単語をそのままにしないこと
- 文法事項を確認すること
- 文のどこが骨組みなのかを考えること
- 自分で一度訳してみること
こうした積み重ねが、学校の定期テストだけでなく、模試や入試の長文読解でも生きてきます。
便利なツールを使うこと自体を否定するつもりはありません。
ただ、便利だからこそ、使い方を間違えると本来育つはずの力が育ちにくくなる。
そこは、今の時代の英語学習でとても大事なポイントだと感じています。
便利な時代だからこそ、基礎を大切に
今の子どもたちは、本当に多くの便利な道具に囲まれています。
それ自体はとても良いことですし、使いこなせば学習の助けにもなります。
ただ、英語力をつけるうえで必要なのは、やはり
本当に必要な力
自分の頭で考えながら読むこと
単語や文法を手がかりに意味を組み立てること
きれいな日本語訳を見るだけでは、英語が読めるようになったことにはなりません。
少し時間がかかっても、自分で考えて訳してみる経験の中にこそ、本当の力が育つと私たちは考えています。
便利な時代だからこそ、基礎を大切に。
これからもExciaでは、その部分を丁寧に指導していきたいと思っています。






