塾生向け・テスト勉強の工夫
エビングハウス付箋の作り方と使い方
忘れる前に復習する暗記法
英単語、社会の用語、理科の語句、漢字、古文単語。
テスト前になると、覚えないといけないことが一気に増えます。
でも、暗記で一番もったいないのは、「一回覚えたつもりになって、そのまま放置すること」です。
人は、ちゃんと忘れます。これは根性がないからではありません。
だからこそ、忘れる前に思い出す仕組みを作ることが大切です。今回は、そのために使える「エビングハウス付箋」の作り方と使い方を説明します。
まず知っておきたい「エビングハウスの忘却曲線」
エビングハウスの忘却曲線とは、簡単に言うと、人が時間とともにどれくらい忘れていくかを表した考え方です。
勉強した直後は「覚えた!」と思っていても、時間が経つと少しずつ記憶は薄れていきます。
画像を見ると、復習しない場合は、時間が経つほど記憶の定着がどんどん下がっていくことが分かります。
復習しないと記憶はどんどん下がります。反対に、タイミングよく復習すると、記憶が残りやすくなります。この画像で大事なのは、緑の線とオレンジの線の差です。
- オレンジの線:復習しない場合。時間が経つほど、どんどん忘れていく。
- 緑の線:途中で復習した場合。記憶がもう一度上がり、忘れにくくなる。
つまり、暗記で大切なのは「一回で完璧に覚えること」ではありません。
暗記で大事なのは、忘れる前に思い出すことです。
これをくり返すほど、記憶は残りやすくなります。
「昨日覚えたのに、今日もう忘れてるやん」というのは、よくあることです。
そこで落ち込む必要はありません。
大事なのは、「じゃあ、いつ復習するのか」を最初から決めておくことです。
おすすめの復習タイミング
画像にもある通り、まずは次のタイミングで復習するのがおすすめです。
- 学習日:まず覚える
- 次の日:1回目の復習
- 1週間後:定着チェック
- 4週間後:仕上げの復習
ここで大事なのは、「覚えた日に終わり」ではなく、次の日・1週間後・4週間後にもう一度見るということです。
ただし、問題があります。
「次の日に復習しよう」「1週間後に見よう」と思っていても、普通に忘れます。
復習すること自体を忘れてしまうんです。
だから、復習日を頭の中で管理するのではなく、見える形にしておく必要があります。
そのために使うのが、今回紹介するエビングハウス付箋です。
エビングハウス付箋とは?
エビングハウス付箋とは、復習する日を細長い付箋に書いて、ノートやワークに貼っておく方法です。
付箋には、次の順番に上から日付を書きます、
- 次の日
- 1週間後
- 4週間後
- 学習日
を書きます。
そして、復習が終わるたびに、該当する日付の部分を切っていきます。
すると、付箋の一番上に次に復習すべき日付だけが出てくるようになります。
付箋が短くなるほど、復習が進んでいるサインです。
これ、見た目でも進み具合が分かるのでけっこう便利です。
エビングハウス付箋の作り方
では、実際に作り方を見ていきましょう。
使うものは、細長い付箋・ペン・カレンダーです。はさみもあると使いやすいです。
細長い付箋に、下から「学習日」→「次の日」→「1週間後」→「4週間後」の順で書きます。画像では、5月10日に勉強した場合の例になっています。
- いちばん下:5/10 学習日
- いちばん上:5/11 次の日
- 真ん中:5/17 1週間後
- 下のほう:6/7 4週間後
少し変な順番に見えるかもしれませんが、これには理由があります。
付箋を本やノートに貼るとき、いま復習すべき日付だけが上に出るようにしたいからです。
まずは、1週間分から作るのがおすすめです。
いきなり大量に作ると、管理がしんどくなるので、最初は少なめで大丈夫です。
エビングハウス付箋の使い方
次に、実際の使い方です。
画像では、ノートや本のページの端に、付箋を縦に貼っています。
勉強した日に貼り、復習したら一番上を切ります。すると、次の復習日が上に出てきます。使い方は、次の流れです。
- 勉強した日に貼る
- 次の日に復習して、一番上を切る
- 付箋を上にずらす
- 次の復習日が上に出る
- さらに復習したら、また切ってずらす
たとえば、最初に貼った直後は、上に5/11 次の日が出ています。
5/11に復習が終わったら、その一番上の部分を切ります。
そして付箋を少し上にずらすと、次は5/17 1週間後が見えるようになります。
さらに5/17に復習したら、また切ります。
次は6/7 4週間後が出てきます。
ポイントは、復習したら切ることです。
切った分だけ、復習が進んでいることが分かります。
すべて切り終えたら、その単元やページの復習はひとまず完了です。
これなら、「どこをいつ復習するんやったっけ?」と迷いにくくなります。
復習タイミング早見表
復習のタイミングは、次のように考えましょう。
学習日・次の日・1週間後・4週間後の4段階で確認します。- 学習日:まず覚える
- 次の日:1回目の復習
- 1週間後:定着チェック
- 4週間後:仕上げの復習
ただし、ここで注意してほしいことがあります。
復習は、長時間やらなくても大丈夫です。
大事なのは、短時間でもいいから思い出す練習をすることです。
ただ眺めるだけでは、復習としては弱いです。
英単語なら、日本語を見て英語が書けるか。
社会なら、用語を見て説明できるか。
理科なら、語句だけでなく理由まで言えるか。
数学なら、同じ解き方をもう一度自分で再現できるか。
こういうふうに、思い出す練習にしてください。
どんな勉強に使える?
エビングハウス付箋は、暗記が必要な勉強に向いています。
| 教科 | 使い方の例 |
|---|---|
| 英語 | 英単語、熟語、本文表現、重要文法 |
| 理科 | 重要語句、実験の手順、公式、理由説明 |
| 社会 | 人物名、地名、年号、用語の意味 |
| 国語 | 漢字、語句、文法、古文単語 |
| 数学 | 公式、解法パターン、間違えた問題の解き直し日 |
数学は暗記だけの教科ではありません。
でも、間違えた問題を「いつ解き直すか」を管理するのには使えます。
「この問題、次も間違えそうやな」と思ったら、そのページに付箋を貼っておく。
次の日にもう一度解く。1週間後にもう一度解く。
これだけでも、テスト本番でのミスはかなり減らせます。
使うときの注意点
エビングハウス付箋は便利ですが、使い方を間違えると、ただの「付箋だらけ」になります。
次の点には注意してください。
- 貼っただけで満足しない
- 復習日に必ず確認する
- ただ見るだけでなく、思い出す練習をする
- できなかったものは、もう一度やる
- 貼りすぎて管理できない状態にしない
付箋は、勉強した気分になるための道具ではありません。
復習を忘れないための道具です。
だから、貼ったあとは必ず復習する。
復習したら切る。
次の日付を見えるようにする。
この流れを守りましょう。
テスト勉強での使い方の例
たとえば、テスト1週間前に英単語を覚える場合、次のように使えます。
| 日程 | やること | 付箋の使い方 |
|---|---|---|
| 7日前 | 英単語30個を覚える | 学習日・次の日・1週間後・4週間後を書いて貼る |
| 6日前 | 前日の単語を確認する | 復習できたら一番上を切る |
| テスト前 | 付箋が残っているものを確認 | 残っている付箋ほど重点的に見る |
| テスト後 | 間違えた内容を復習する | 次のテストや実力テストに向けて再利用する |
特に、テスト直前に大事なのは、付箋が残っているところを見ることです。
付箋が残っているということは、まだ復習が完了していないサインです。
そこから優先して確認しましょう。
この付箋を使う理由
勉強を「その日やって終わり」にしないことは非常に大切です。
今日覚えたことを、次の日にも覚えているか。
1週間後にも思い出せるか。
テスト前にも使える状態になっているか。
ここまで確認して、ようやく「覚えた」と言えます。
エビングハウス付箋は、復習を忘れないための仕組みです。
勉強がうまくいく生徒は、特別なことをしているというより、確認するタイミングを逃していないことが多いです。
「覚えたつもり」で終わらせず、復習する日を見えるようにしておきましょう。
最後に
暗記は、一度で完璧にするものではありません。
覚えて、忘れて、また思い出して、少しずつ定着させていくものです。
エビングハウス付箋は、その復習の流れを見えるようにするための道具です。
まず覚える。
次の日に復習する。
1週間後に確認する。
4週間後に仕上げる。
付箋を貼って終わりではなく、復習したら切る。
次の復習日が見えるようにする。
テスト前の勉強では、この小さな積み重ねが大きな差になります。
まずは今日、1枚作って使ってみましょう。






